2018.6.10 Sunday:山道は久しぶりのミストシャワー。耳を澄ませば、客引きの声が木霊する。

午前3時に自然と目が覚めた。夏日の続いた前日までとはうって変わって、肌寒いくらいの朝、いや、真夜中。昨晩に確認した天気予報を思い出しながら、向かえた休日の有意義な過ごし方について考えようと思った。

あと30分だけこのまま布団にくるまろう…。

目は覚めたものの体は重く、すぐに何かをしようという気になどならなかった。それは頑固な睡魔によるというより休日の有意義な過ごし方なんてどうでもよかったからで、早起きをし、それなりの休日を過ごした後、夕暮れどきには晩酌を始めたい。そして、翌月曜日からの仕事に備えたいという保守的な理由からの早起きだった。

あぁ、また休日を台無しにしちゃうかもな…。

思えば、このところの月曜には必ずといっていいほど激しい後悔の念にさいなまれている。そして、次の休日こそは…と誓いをたててはこの朝のように挫けている。

また、後悔しちゃうのやだな…

そう思うと、不甲斐なさに腹が立ち「こおしちゃおれん。どうした俺。」と、勢いよく体をおこした。そして台所にいき湯を沸かし、どん兵衛にそれを注ぎ入れた。BGMには関取花を選んだ。彼女の張りのある爽やかな気っ風のよい歌声に励まされたかったのだ。

たしか、昨夜のウェザーニュースは午後から雨という予報だったけな…。

どん兵衛の汁をズズとやりながら思案した。

出かける時間は7時にしよう。それまでの2時間とすこしを録画のサッカー中継のチェックとブログの下書きをすることにした。午後はあれだ。風呂屋にでも行くか。

ふたたび、どん兵衛の汁をズズズとやって試合の行方を見守った。

サッカー日本代表はスイスとの親善試合に負けた。細かいことを言ったらきりがない。ゲーム展開はよかった。運がなかった。前任の監督の突然の解任以後、新任の監督の初陣と第2戦といまだ勝てていないものの、メディアが騒ぐほどの悪い試合ではないように思う。たしかにサッカーは得点を奪わなければ勝てないスポーツ。しかしながら世界有数のクラブチームだって守備組織とそのメソッドの構築なくして常勝チームは作れない。今、日本チームに必要なのは立ち返るべき土台であり立ち上がり戦うための背骨となるメソッドの構築だ。メディアのやり方は昔から好きになれない。

そんな事を考えながら、わりと真剣に試合の行方を見守った。もちろん、試合結果は知っていたが、この視聴は今とこれからを知る意味で確認ておきたい試合だった。

途中、うたた寝したことは内緒だけど…。

 

さて、心に決めた7時をすぎ時間は7時50分。ようやく家を出て里山のある公園登にたどり着いのが8時10分頃…自宅からやけに近いが、そこがいつものマイホームマウンテンの取りつきだ。

車のハッチバックドアを解放し、そこに腰掛けながらセブンコーヒーを飲み。予報より早く降り始めた雨をしばし眺め呆けてから8時30分頃出発した。

何事をするにしても、一度、呆けてからが気焦りしないこつだと思う…。

降りだして間もない冷たい雨は火照った地面を優しくさとすように降っていた。すこしの肌寒さと雨に濡れることに抵抗を感じたものの、登山口以降は新緑の中だし、そのうち汗だくになるから問題ないと歩きだした。

貯水ダムの堰堤の上を歩き登山口を過ぎると、やはり雨は気にならなかった。木々に包まれた登山道は所々に雨染みを作っていたがおおむね渇いたままで足をおろすたびに土埃をあげそうなぱさぱさとしたし具合だった。

登山道はいちど林道となり再び山道へと続く、いつものコースだ。

 

林道の途中の木苺ポイントで立ち止まり、気に入った木苺を3つほど摘まんで口に放りこんだ。たかだか30分ほど歩いただけで渇いてしまった体が甘酸っぱさと少しのえぐみ、そして爽やかな香りに一瞬にして潤った。

それにしても…。

いつも思うのだが道端に自生した木苺ってやつはどれもすすけたようで少しばかり汚ならしいのは何故なのか…。

不意にそんな疑問が芽生えたが答えが出そうもないので考えるのをやめ歩みを進めた。

階段ポイントに取りついた頃には、あたりは雨染みではなく雨色に染まり、つるつると滑りやすくなった木枠の階段やときおり顔をだす岩を気にかけながら登った。そして尾根までの急登も終盤にさしかかると、顔を上げた先に靄につつまれた尾根と木々のシルエットが確認できた。

うほ。

すごく気持ちよさそうだ。うほ。

雨の登山は好きではないが雨の里山歩きは好きである。とくにこの日のように夏日続き合間やその後に降るような雨には靄や霧が付き物だからだ。しとしと雨やぽつぽつ雨だとなおいいと思う。霧雨だったら極上だ。

見慣れた木々や岩。いつもなら素通りしてしまいそうものたちが、新鮮で魅力溢れる体をなして誘ってくる。

ちょっとオッサン、寄っていきなよ。

いやいや兄さん、こっちがいいよ。

いい娘、揃えてますぜお頭、グヘグヘ。

まるで客引きの声が溢れるネオン街さながらの木霊たちからのお誘いだ。

無数に顔をだした木の根は艶やかな照りをおび。ときおり強く落ちる雨に叩かれる葉音。渇いた木々がごくごくと雨を飲み込む音がする。霧の昇る杉林を見渡すと、奥行きのないのっぺりとした空間に木々が立ち並び、さらにその隙間には霞んだ木々の影が浮かびあがっていた。

すげぇ、気持ちいいぜ。

胸いっぱいに霧を吸い込み吐き出しながそう呟く。

目覚めた朝は出かけることも躊躇われていたのに…。やっぱり来てよかった。訪れさえすれば、山は何かしらの恵みを与えてくれるのだ。

腕を広げ、胸を張り、ありったけの深呼吸をしばし繰り返したら…ごほごほ、おえおえと激しくむせこんだ。さらに派手にむせこんで脳ミソの血管を圧迫したせいか、靄が肺にたまり呼吸を阻害したせいか、いずれにしても頭がくらくらとして星が飛んだ。

何事もすぎるのは良くない。ほどよくがよいのだろう。

あらためて、深くゆったりと深呼吸をして、さてと腕時計に目をやる。

かれこれ30分ほど客引きの相手をしていたようだ。

ずいぶんとのんびりしてしまいましたな。

それじゃ皆さん、また来ますわ。

そう挨拶して帰路についた。

終わりに

あまりネガティブな事と文章にして残すのは良くない。いや、そういったことはブログには不向きだ。そんなことが何かに書いてあった。しかしなが、僕はネガティブなことも書いていこうと考えている。

あくまで私的な日記的な要素もこのブログには含まれているから…いや、含めているから。

まぁ、とりあえずこのまま。このスタンスでこのブログを書いていこうと思っている。

そんなわけで、これからも宜しくお願いします。

最後まで読んでくれてありがとう。

これから出かけようと思います。

それでは、皆さん良い休日を