続・トレントシェルジャケット剥離 ~裏地を剥がして再利用を試みる~

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辺りかまわず白い粉をまき散らすトレントシェルジャケット。こいつをどうにかしたいと、常々、思案していた。

例えば、バックやザックに使用されたPUコーティングの劣化によるベタベタ感やポロポロこぼれるPU材の除去には『重曹で洗う』という手法が一般的なようだけど、このやりかたでは傷んだPUコーティングにしか効果がないだろうし、ガムテープのような粘着テープで無理やり剥がす方法についても重曹同様に傷みの少ない面には効果はない期待できない。 仮に超強力な粘着テープを用意してバリバリとやったらジャケットの縫い付けを駄目にしかねない。縫い目の解れたジャケットでは使いものにならないのだ。

なんとか縫製部分を痛めることなく、もっとズルズルと蛇の脱皮のようにいく方法は無いのだろうか…。

加水分解を早める…そんなグッドな方法はないのだろうか…。

そんなことを思いながら、加水分解について調べてみても「加水分解について」または、そのメカニズムについて、俺の脳みそで理解できるほど簡素に説明された文献がないのだから名案を導き出すことなどできやしなかった。

つまりこれは、トレントシェルジェットのPUコーティングを剥がすことに執着した俺の羞恥な挑戦の記録である。

じゃ、題目。

『続・トレントシェルジャケット剥離 ~裏地を剥がして再利用を試みる~』

いってみようか。

『続・トレントシェルジャケット剥離 ~裏地を剥がして再利用を試みる~

これ以降の記録は、遊び半分で試した実験的な記録であり、本気でトレントシェルジャケットの裏地を修正もしくは改修したい方にはとっては無駄な記録です。くれぐれも、参考などにしないことを強くオススメします。

裏地を剥がすために試したこと。

ジャケット内貼りのコーティングをメタメタに傷めつけてやりたい…

さて、ジャケットの内貼り全面がいともたやすくペリペリと剥がれてくれれば何の問題もない。そうなってしまえば重曹やガムテープで剥がすだけ。まずは、PUコーティングを痛めつけることを第一に考えた。

PUコーティングを傷めつけると言っても、そこはタフネスが求められるアウトドアウェア。劣化によるPUコーティングが見て取れるとはいえ元来は丈夫な代物。簡単なことではない。俺は思案に思案を重ねるうちにとある記憶に辿り着いた。

それは、野外に長らく放置され使い物にならなくなったブチブチと切れるビニール紐の記憶だった。

思いおこせば長いこと野外に放置されたビニール製品ってやつはそろいもそろってポロポロになっているものだし、化繊の製品てやつはどれも湿度や温度の変化に脆弱で変色したり圧着部などが剥がれるもの。ならば、野外に放置しておけばトレントシェルジャケットのPUコーティングも劣化するのではないかと思った。作戦は決まった。放置プレイだ。

ただし、どのくらい野外に放置すればいいのか分からないし、きっちり劣化するまでの月日など待っていられるはずがない、俺は劣化の手助けになりそう手段を模索しその結果として家庭全般どこにでも何にでも使える劇薬。キッチンハイタ―の力を借りことにした。(※おそらく効果はまったくなかったのだけどね・・・。)

さぁ、いよいよ実験開始だ。

実験工程① キッチンハイタ―を混ぜた溶液に漬ける。

【材料】

  1. くたびれたトレントセルジャケット
  2. 60℃くらいのお湯 バケツ一杯分(注1)
  3. キッチンハイタ― 量はお好み
  4. 2と3を混ぜ溶液をつくる。

トレントシェルジャケットが入る大きさのバケツを用意。そこに60℃程度のお湯とキッチンハイタ―を注ぎ入れ溶液を作る。そこにトレントシェルジャケットを漬けること1時間。ときどき様子を見ながらモミモミする。

(注1)お湯の温度はジャケットの繊維の変形や圧着加工に配慮した温度。


【工程の意図】

塩素成分で内側のPUコーティング面へダメージを与えること。また、すすぎ洗いをしないのはジャケット面に残った塩素成分による何かしらの反応を期待しつつ、PUコーティングの脂質?油分?水分?といった潤い成分の分解を期待しての事。キッチンハイタ―使用の意図はPUコーティング面を溶かしてくれたらいいなとういう淡い期待からだ。

実験工程② 溶液から出した様子。その後、天日干し。


【工程】

  • 溶液から出したジャケットをすすぐことなく干す
  • 陽あたり良好で風あたりの強いところに干す
  • 期間はい1週間

【溶液から出した時の様子】

  • 親水性があるのか全体的に水を含んだ感があり、膨張のせいかシームテープがだらりと剥がれている部分が確認できる。

【工程の意図】

天日干しの狙いは、紫外線攻撃。冬場の天日干しとあって、凍結と解凍を繰り返して欲しいとの期待もあったけれど凍結の確認はできなかった。温度条件については高温の60℃~80℃くらいあるといいのだけど…。車内干しでも冬場はそこまでの温度は期待できないので諦めた。

実験工程③ 天日干し。1週間後の様子。

  • キッチンハイタ―によるナイロンの変色を確認

【1週間後の様子」

以前よりしなやかさがなくなったような…。カピカピに乾燥しているが、コーティング部分の劣化が進んだかどうか分からない。 キッチンハイターを使用したことで、キッチンハイタ―お得意の漂白、変色による色むらのおまけつき。恐るべしキッチンハイタ―。   表面については『ムラだらけだったら・・・』と想像すると怖くて確認できない。

もしも、ジャケット全体に劣化が進んでいたなら『重曹』で落ちるはず。 はたまた、ガムテープ作戦を決行するか…。 

実験工程④ とりあえずガムテープで剥がしてみることに…。


【結果】

ガムテープの粘着力が弱いのか、バリバリと剥がれていかない。2か所ほど試して時間の無駄であることを悟った。 【結論】ガムテーㇷ゚では剥がれない。

実験工程⑤ 重曹&お湯で剥がしてみる。


【レシピ】

  • 60℃くらいのお湯
  • 重曹 好みの量

【工程経過】

バケツに60℃程度のお湯と重曹を投入しジャケットを漬けること30分。その後、軽くモミモミしながら擦るとペロペロとコーティング面が剥がれる。

開始10分の様子がコレ。

袖口の部分がキレイに剥がれてきたが、劣化の度合いによるものか剥がれにくくなってくいく。

まどろこっしいので・・・。

ジャケットをテーブルに広げ、お湯と重曹の溶液をかけながら作業をするもどんどん剥がれにくくなっていく。

この時点で作業開始30分くらい経過。

そして、剥がれにくい原因はお湯の温度じゃね?ということに気がつき。お湯の温度を80℃位のものにして作業再開。

熱いお湯にすることで劇的に作業がはかどるも…。シームテープも剥がれだす始末。

やはり、80℃くらいになると影響がでる。

しかし、そのまま作業を続行し、腰の痛みが最高潮になったところで中断した。

実験工程⑥ 作業を辞め、剥がれ具合を確認する。

作業は背面、前面、フード部まで完了。水洗いをしてPUコーティングを流してから干し、各部の点検したところで、まさかの…。フード部分の裂け目に気がつく。

まぁ、シームテープがスルスル剥がれた時点で怪しいとは思ったけれど…。

実験工程⑦ 天日干しをして、コーティング除去面の様子を確認する。

【ジャケット内側・背面】

背面

【ジャケット内側・前面】

前面。胸部にも裂け目が…。


【ジャケット内側の様子】

なにか白っぽく汚らしいけど、これが乾燥させた状態。もしも、両袖まで剥がしきれていれば剥離したコーティングの粉が落ちることもなく通常使用には耐えられそう…たぶんだけど。


【ジャケット表側・背面】

襟もとに変色

【ジャケット表面・前面】

胸元に裂け目

【ジャケット表面の様子】

ジャケット表面は襟元にできたキッチンハイタ―による変色意外は生地に問題なし。全体的にシャキッとしていてウルトラライトなナイロンジャケットとして使えそうな印象を受ける。

まぁ、それもこれもフードと胸元にできた裂け目がなけりゃだけど…。

さて、この続きというか総括記録は、後日、アップする予定です。

今日は無理だ。  

終わりに

トレントシェルジャケット。俺はこいつを気に入っていた。オッサンと言われる年齢にさしかかった俺が2万円のジャケットを買い替える小遣いを持ち合わせていないのははずもなく。買い替えることもできるわけなのに新調せずにいた。そこには長年の苦楽をともにしてきたジャケットであるからという未練じみた理由もあったのだが、新たな物を購入するのにも「また剥離すんのか…」といった残念な感情が働いたのも事実だ。それでも、気に入っていたのが防水透湿性とは違う部分で別に防水じゃなくなっても使えるなら使いたいなという思いがあったからこその裏地を剥がすという奇行なのだが、 生地が裂けた今となっては、それもできなくなってしまった。

とりあえず、両腕の裏地を剥がして生地の再利用する方法を考えるのも楽しそうなので、この件はボチボチ温めていこうと思う。

それじゃ、また。