登山靴:足幅の広い人 足幅の狭い人

足幅の広い人 足幅の狭い人

登山靴難民

現在、履いている登山靴は巣鴨にあるゴローで作ったブーティエル。僕の登山靴はこれ一足のみだ。いや、正確には2足。もう1足はスカルパ・クリスタロ(30cm)。あっ、ダナー社のケブラーライトを入れたら3足になるか…。

ハイカーの仲間入りをする以前から、僕はケブラーライトで山や川をプラプラしていた。当時、防水の靴はこれ一足しか持っていなかったのだけど、とりあえず履いとくには使える1足だった。ただ1つ難点を挙げるとすれば、僕の足には合っていない靴だったということ。この靴で3時間ほど歩くと、足のそこかしこが痛くなる悩ましい靴だった。

それでもこの靴を履いていた理由といえば、若かりし頃の僕は靴に自分の足を合わせるものだと思っていたということもあるし、たんに金がなかったということもある。何より、ずっと憧れて欲しくてたまらなかった靴だから意地になっていた。ということもあった。

当時を振り返り思うのは、よくも履いてられたな。無知って怖いわ。といことだろう。

念のため、ダナー社ケブラーライトの名誉のために繰り返すと、あくまでも僕の足に合わなかったということで、悪いのは僕の足の方だ。そこをマーカー付きで強調しておきたい。

それが、これ。すげぇ、カッコいい。

相性の悪い相棒と決別を決意したのは、ハイキングに傾倒しだして暫く経ってからだった。

痛くならない靴が欲しい。

そんな控えめだった欲求は、はじめだけだった。カタログを眺め、店頭で物色しあれやこれやと考えるうちに、欲求はちょっとカッコいいやつが欲しいとなり、やがて1足で3シーズン対応できるやつ。もっと言えば2000m程度なら冬も使えるヤツがいいといった具合にエスカレートしていった。

1足で4シーズンなんて…今にして思うと帯びに短し襷に長し。全然快適じゃないし、欲張りにもほどかある。

そんな無知な僕が初めに購入したのは、スカルパ・シャルモ(28cm)。

現行モデルのシャルモがこれ

次に購入したのは、スカルパ・クリスタロ(30cm)。

現行モデルはこれかな

いずれも足に合わず、最後にゴロー・ブーティエルにおさまった。

これは、公式の商品ページ。リンクでどうぞ

さて、だいぶ話がそれてしまったけど、僕と僕の足は納まりどころを失い。路頭に迷った登山靴難民と化していた。本来、違う道具だったり山行費用に使うべく資金も割りを食うほどに靴に費用をかけてしまい山行が思うようにできないなんて本末転倒な事態に陥ってしまった。

そんこんなで靴探しに奔走し、その状況に辟易した僕は最終的に東京の巣鴨まで足を伸ばしセミオーダーで靴を手に入れた。わざわざ東京におもむき靴を作らないことには登山靴難民からの脱出は叶わなかったのだ。

では、登山用品店やアウトドアショップには溢れんばかりに登山靴が陳列されている昨今にあってどうしてそんな状況に陥ったのか…。

その答えは単純だ。

売れない靴は作らないし売らない。そもそも、そんな靴は在庫もしない。

まぁ、当たり前だけど…。

登山を初めて間もない人や登山靴の知識が少ない人をターゲットとした商品戦略。とくに山ガールなんてのがチヤホヤされてきた昨今にあって、若者の登山者は急増した。新刊された目触りのよい雑誌に掲載された一部のブランド広告は絶大な集客を集め、やがて販売店に波及した。そういった一部の商品が横行した結果、いわゆる幅の広い靴は主流となった幅の狭い靴の穴を補うためだけの物として扱われるようになってしまった。

もちろん、登山靴ってやつは大昔から海外メーカー偏重傾向があって、国産メーカーにとっては冷や飯を食う状況であったこともあるだろう(国産でもイタリアで作っていると消費者は食いつきがいい)。結局、消費者はステータスや恰好の良さにながれるから消費者の責任でもあるかもしれない…。

とはいえ、国産メーカー側も店頭での試着取り寄せの際にキャンセルOKくらいの気風の良さがあってもいいとは思う。だって、店頭で満足に試着できないうえに取り寄せたら買わなきゃならんなんて…合わなかったらどうするのさ。

まぁ、試着してネット通販で買う人も多いからね。難しいことも分かるけど…。

きっと、僕のように合わない靴に困っている人も多いのだろうと思う。そんな人々に僕から言えるのは、セミオーダーでもフルオーダーでもいいから作った方が早いよって事だろうか…。もちろん、そんな店はそうそうない。あったとしても作ったものが合わないなんてこともある。だけど、現在の山ショップに流通している靴よりも高確率でジャストな靴を手にすることができると思う。

では、オーダーできる店が近くにない人。既製品の中で何とか探したいという人。そういった人々はどうしたらいいのか。

もちろん、人それぞれの足の形に左右されるので絶対にこれだ!と言える解決策なんてないけど、足幅の広い人と狭い人。これくらいざっくりしたものなら、僕の理解している範囲で書けそうなので書いてみようと思う。

足幅の狭い人々

足幅の狭い人は、靴の縦寸(カカトからツマサキ)が合えば靴に足がおさまる。しかし、この手の人に多いのは自分の足が幅の狭い足だという認識がなく、いつの間にか靴の中で足がずれていて靴擦れをおこしたり、下り坂などで足のつま先が靴の先端にあたって痛い…なんて事になって初めて靴があっていない事に気がつくといったことがある。

無自覚なので潜在的には困っている人も多いはずなんだろうけど、幅広足の人のと比べて靴を選ぶ段階で困るということが少ないため情報があまりおもてにでてこない足だと思う。

さて、足幅が狭い人に多いトラブルといえば靴内で足が遊んでしまうこと。これは、靴幅の余りを解消する工夫をするれば問題はほぼ解決するというか何とかなる。

一応、その対処法が以下

対処としては、厚手の靴下を二枚にする。インソールを土踏まず部分のアーチが高く、踵部分のカップ(受けの部分)の深いものに変更する。インソールを二枚にする(いつの時代だ…と言われそうだけど効き目は絶大。この場合、一枚目はフラットで柔らかいインソールを使ったお方がいい。まぁ、無茶苦茶な方法だけど…。)といった靴と足の隙間を埋める工夫をすることで軽減できる。

この対処の意図

本来、靴全体で足を包むことで踵や土踏まず爪先といった足の構成各所を靴内の正しい位置に固定するように靴は作られていて、足幅の狭い足は足全体を包み込む圧力がたりず靴内で足が固定されずズレやすい(足が靴内で前後左右にズレをおこす)。そのため、山の下り時に爪先が靴の先に当たってしまいがちになる。(爪が割れるなどの傷を負いやすい。)そのため甲部分の厚みを足すことと、インソールで踵部分をなるべく固定することで山下り時のズレを抑制する。

※インソールについてはまたの機会にします

最近は足幅が狭い女性が多いらしいけど、そういった人で海外メーカーの靴でも靴と足の幅が合わず余りがでてしまう。かつ、上記の対処でもトラブルを解消できない…。そんな場合は、靴のサイズをアップしようがダウンしようが問題は解消されない。靴そのものの選択を誤っているので、その靴は諦めよう。

そんなことにならないためには、店頭での入念な試着をすること。そのポイントはネット上に溢れているし、店頭の販売員にアドバイスを仰げばいいので割愛しますが、ここだけは絶対にというポイントはこちらで…。

それがコレ

登山靴:試履きのときに確認したほうがいいこと。
登山靴の試着の際に確認したほうがいいこと 登山靴の試着ポイントはネット上に溢れているし、店頭の販売員にアドバイスを仰げばいいので割愛しますが、これだけは絶対にというポイントがこれ。 下り坂のテストを特に入念に! これは、山道具屋のシューズコ

まぁ、最近の靴で厚手の靴下を二枚履いてもブカブカになるほど細い足の人って極々少数だろうし、オーダーしても面倒なだけだから既製品で探した方が早いと思う。

また、ジャストフィットを強く求めるアスリート気質、または女性にありがちなピッタリすぎる靴を所望するのであれば、セミオーダーではジャストフィットは得られないのでフルオーダーをしないと駄目。

ちなみに、僕の連れは足幅が細く。ブーティエルを履くために靴下の二枚履きとアーチの付いたインソールを使用することを店員に勧められていた。そして、それで駄目なら…。といった話をしていた。

おそらくは極端に足幅の狭い人の靴を作る場合、靴全体の木型を変えたうえでソール自体の形も合わせて変更しなくてはならないためフルオーダーになってしまうものと思われる。

足幅の狭い人についてまとめ

現在主流の登山靴はほぼ幅の狭い靴のため、足幅の広い人に比べて履くことのできる靴は豊富。できるだけ沢山の種類の靴を試履きをする。靴選びのプロセスは以下

  1. 靴のサイズは選びは足の平の幅でなく長さに合わせて選ぶ。
  2. 試着した靴の中で幅のあまりが1番少ない靴を選ぶ。
  3. インソールを別売りのアーチが高く・踵のカップの深いインソールに変えて試履きをする。
  4. 靴下を2枚履きにして試履きをする。
  5. 3番で試したインソール1枚。平たく柔らかいインソール1枚。計2枚のインソールにして試履きをする

以上のような段階を踏んで試履きをして、丁度いいところを探る。もちろん、3番を試さず4番で丁度いいならそれでもいいし。靴下、1枚履きでインソール2枚がいいならそれでもいい。

要は、足幅が狭いためにできる靴との隙間を埋めることができ、履き心地に問題なければOK。

上記の方法で対処したうえで、足にトラブルが生まれるようなら、その靴は諦める。

足幅の広い人々

足幅の狭い人に比べて広い人の方はというと、問題は複雑で、そもそも足が靴におさまらない。おさまったものの窮屈だった。幅に合わせたら長さが余る。といった具合に問題が多様だ。

そして、無理矢理履きんだり、足の当たる部分を機材を使って無理矢理広げたり、シューズストレッチャーで靴全体を伸ばす等、あるいは中綿を抜いたりと技と呼ぶにはあまりにずさんな力技を用いて対処していることがほとんど。かくいう僕のシャルモの小指があたる部分も機材を用いて広げてもらった。結局、駄目だったけど…。

で、この対処が功を奏さない理由はは別の機会に…。

それがコレ

登山靴:登山靴を機材を使って無理やり広げるなどしても意味がない理由
登山靴を機材を使って無理やり広げるなどしても意味がない理由 よくありがちな足の指の当たる部分を機材で伸ばしたり甲の当たる部分の中綿を抜くようなケア。これらの力技は効を奏さないと書いたけれど、その理由は以下のようなもの。 靴のアッパーに使用さ

さて、靴を履いた結果、痛みなどの違和感がある場合の正しい対処方法としては僕はこれしかないと思っている。

それが、これ。

諦めて捨てる。

そもそも、違和感を感じたら買うな。

これに尽きる。これしか対処法はない。

その理由は、そもそも靴が合っていない。繰り返しになるけど、何とかしようと力技を施すこと事自体が悪あがきでしかない。何をしようと合わないものは合わないと諦めよう。

とは言え、登山靴ぬきじゃ話にならない。そんな足幅の広い登山靴難民を救う可能性のある登山靴メーカーと言えば、言わずと知れたシリオ。もしくは国内メーカーの登山靴。国内メーカーで駄目なら、諦めてセミオーダーもしくはフルオーダーで靴を作るしかない。

まぁ、国内メーカーの登山靴であっても最近は幅狭の靴が主流なので、あれやこれや試すよりもシリオ一択で選んだ方が早いとは思う。それで駄目なら…それが、登山靴難民から脱出する最短ルートだろう。

かくいう僕もシリオの試着が満足いくまでできるなら、シリオを購入しようと考えていた。実際、僕の足はシリオにすっぽり納まった。だけど店頭あったモデルは緩すぎで、試したいサイズやモデルが店頭にないため試したくても試せないので面倒くさくてゴローにした。

全国展開している某有名山道具店で他店から取り寄せてもキャンセルは駄目って言われたら諦めるでしょ?

ちょっと話がそれたけど、ちょっとくらい足幅が広くてもシリオなら行けるんじゃないかと思う。

なので、シリオのHPリンクは以下です。

シリオ公式HPはここ

SIRIO 日本人専用木型の登山靴シリオ
日本のニーズに応え、イタリアの技術と伝統が命を吹き込む日本人専用木型の登山靴シリオ

このHPは非常に分かりにくい。いや、閲覧していても目当ての靴を探すのが面倒くさくて煩わしい。なので、別の機会に補足をしようと思っています。

足幅の広い人についてまとめ

現在主流の靴は残念ながら靴幅の狭い靴。そのため、海外メーカーおよび国内メーカーの一部の登山靴は足に合わないもののほうが多い。そのため、靴選びの基準を考えるなら以下。

  • 幅の広い登山靴で可能なかぎりたくさんの種類を試す。
  • 最短ルートで靴選考をするならシリオ一択。
  • 少しでも違和感・圧迫感のある靴は選ばない。
  • 足幅に合わせての極端な靴のサイズアップはしない。
  • 結果として足幅にあまりがでてしまった場合は「幅の狭い人」同様のプロセスで幅のあまりを解消する対処を試す。

以上のような基準で靴選考をするといいと思う。

ちなみ、幅に合わせた結果としての靴のサイズアップを勧めない理由は以下

それがコレ

登山靴:足幅に合わせて靴の極端なサイズアップはしない方がいい理由
※靴のシャンクについて正確性を欠いた誤記があったので訂正しました。(2019.6.22) 足幅に合わせての極端な靴のサイズアップはしない方がいい理由 登山靴の靴底には、足の爪先の屈曲に合わせて靴底も曲がるように作られている。 それがこれ で

足幅の広い人 足幅の狭い人

さて、足幅の広い人、狭い人、それぞれについての対処法を僕なりに書いてみました。きっと、それぞれにいろいろなトラブルがあると思います。登山靴が店頭には溢れているのに足に合う靴に出会えない。店頭に居並ぶ3万円前後の登山靴。あと数千円も足せばセミオーダーだってできる。でも、オーダーできる店なんてそうそうない。そんな状況に悩むひとも多いでしょう。そんな人たちそれぞれにとって最高の相棒たる登山靴。そんなヤツに早く出会えるといいなと思います。

僕は本当に遠回りしてしまったけど…。今は靴のトラブルもほぼなくなって、後はハイキングに出かける時間だけが問題といった状況。これはこれで、そのうち解決させるとして、まずは相棒の登山靴があるので近場のハイキングを楽しもうと思います。

では、また。

「思い出の登山靴 失敗談の備忘録 」これも書いたんだっけな。

思いでの登山靴 ~ 失敗談の備忘録 ~
思いでの登山靴 ~ 失敗談の備忘録 ~ 以降、「僕の足に合わなかった」ことについての話につき、本文中にでてくる商品の製品としての機能・性能を疑うものではありません。足に合えば、どれも素晴らしい靴です。 スカルパ・シャルモ それがコレ 某有名