「そういえば1本もナイフもってないな」と気がついたら、ナイフが欲しくて欲しくてたまらなくなった数年前、勢いに任せて購入したナイフはアウトドアショップでよく見かける女子うけのよさそうなナイフを擁するブランドのアレだった。
それがコレ。
あまりに柔和な見た目と大きさ。なによりポップでキャッチーな色味すぎて、ウィンドケースに並べられたこれらを見た時は「子供のおもちゃだろ」と高を括っていたのだけど、いざ使ってみると肉やら野菜はもちろんのこと小枝を削るなどのフェザースティックっぽいものも作ることもできる。おフランス産のきちんと切れるナイフなのだ。
もちろん、キャッチーなこれらのナイフを若人のキャピキャピさと無縁になった俺が手にするのは気恥ずかしいし、何よりも気色が悪い。その気色わるさは仕事の付き合い先の担当者、あるいは会社の先輩、それも50代の独身者に電話をかけた時に相手方の着メロが西野カナだった・・・という風な時のおぞましさに通じるものがあるのではなかろうか…。そんなことを危惧した小心者の俺が購入したのはOPINELの少し大きめのスタンダードなやつだった。
それがコレね。
そして、実際に使用しているOPINEL。
それがコレ。

芸術の都を構えるおフランスにおいて100年以上の歴史を有するだけのことはあり、眺めるだけで「うっとり」しそうな洗練されたフォルムはもちろん。ブナ材(たぶん)とのブレードのコントラストも実に美しい。貴賓溢れる一品だ。
そのブレードがコレ。

ブレード(刃)が黒色なのは自作の黒錆加工というやつで、ネット界隈においてはポピュラーなものとして紹介されているオピネルのカスタム方法だ。さらにこのカスタムについて少しだけ言及すると、アウトドア男子お得意の辞意行為以外の何物でもなく、弊害ばかりが目につく改悪というやつだ。
それでも、俺はこのブレード(黒)をすこぶる気に入っているので大満足なのだけど。
さて、最後に所有するOPINELが#10であることを前提に肝心の使い心地について触れておくと…。
気になる使い心地は?

用途や切り心地は家庭用の果物ナイフと遜色なく、いや、むしろ野外でも使える家庭用の果物ナイフといった具合。
もちろん、一般的な家庭用の果物ナイフに比べブレードの厚みがしっかりしているので頑丈。そのため、ちょっとした植物の茎や蔓、小枝といった物を切る?折る?削ることについては果物ナイフよりもはるかに優れている。ただし、残念ながらアウトドアで薪を割るようなことにはまったくむいていない。つまり、アウトドアのハードな使い方よりも日用使いのほうが得意なナイフなのだ。その部分にフォーカスして考えれば、OPINELはアウトドア用に持ち歩くよりも日々の生活において使い倒すくらいが丁度いいのではないかと思う。
果物ナイフが自宅にないなら台所で使えばいい。
机の引き出しに入れておいてカッターがわりに使うのもいいだろう。
俺の場合はいつも机の上に置いておいてペーパーナイフがわりに使っている。
そして、時にはアウトドアのフィールドへ連れて行く。
それはそれで、愛着が沸く使い方ではないかと俺は思う。
OPINEL。
これはこれでマストなアイテムだ。


